パンクしないタイヤの悲しい出来事

ママチャリ

2015年04月13日 20:00


春休みに高校生のTSマーク点検が鬼のようにありました~。1台、1台、お預かりした自転車を見ていくと、その品質の差がモロにでますね。1年しか乗っていないのに、こんなに傷むかぁ~?!と思う自転車はスーパー量販店の自転車ばかり。

その中でも最悪なのが、パンクしないタイヤの自転車。パンクしにくいタイヤと混同しそうですが、しにくい方はチューブが入っていますが、タイヤが異常に硬い!これも問題ありありですが、今回記事にするのは、パンクしないタイヤの方です。ブスブスと釘で刺してもパンクしません。それだけのことです。他にいいことは何もありません。



このパンクしないタイヤっていうのは、かつて、ブリヂストンの自転車にも装備されていたことがあります。当店にもありました。えっと・・・名前は何だったかなぁ~・・・と、ググッたら、わかりました!ありがとうインターネット(笑)その名はですね~・・・エマルジェン。

黄色の小径車で、組み立て式の自転車です。こちらに画像があります。見るからに乗りにくそうなデザインですが、この自転車ができた背景には阪神大震災がありました。

震災で道路も鉄道も壊滅状態になって、車も電車も走らない中、自転車は移動手段として活躍しました。自転車なら、でこぼこ道でもなんとか用を足せます。しかし、道路があんな状況では、いつパンクをしてもおかしくありません。実際、パンクしても走るしかなかったと思います。

そんな経験を経て、災害用自転車として開発されて、できたのがブリヂストン エマルジェンでした。なので、色も目立つ黄色!

目的が普通と違う自転車なので、普段使いにはお奨めできませんでした。当店も仕入れたものの、予想を反して1台も売れませんでしたよ~(泣)しばらく倉庫に眠っていたけど、あれ?どうしたのかな?誰かにあげたのかな?年月が経って、中の発砲ウレタンは縮んで、見事にスカスカなタイヤに変身してしまったのよね~(笑)

で、肝心のパンクしないタイヤの話なんですが、エマルジェンの前だったか?後だったか忘れましたが、今からおよそ20年ほど前に、タイヤメーカーも部品として、パンクしないタイヤを売り込んできました。通勤・通学の自転車にお奨めということで、良かれと思い、自転車店はそのパンクしないタイヤを仕入れたものです。

しかしですね、このパンクしないタイヤはチューブの代わりに、発泡ウレタンを入れるんですけど、これが人の手だと無理!ということで、そのタイヤをリムに嵌める嵌合機なるものも買ったんですわ。

この嵌合機っていうのが結構なお値段でした。使い方の講習会もありました。かなりでかくてコンパクト収納ができないので、メチャクチャ場所をとります。そして、この機械でパンクしないタイヤに交換したものの、走りが無茶苦茶重い!!という悪評、悪評ですよ。結局、設備投資したものの、回収できずといういや~な思い出と嵌合機だけが残りました。その後、嵌合機は捨てました!

もうすでに、20年前にはパンクしないタイヤの良いことよりも、悪いことばかりということを経験している自転車店は、今さらスーパー量販店が躍起になって宣伝する意味がわかりません(笑)必ずチラシに載せてますもんね~・・・。

いや、改良されて軽くなった~といっても、所詮、普通のチューブ入りタイヤよりは重いし、何よりも難点はクォリティの低い自転車に装着してることなんですよね。重みで車輪が負けます。なんせ、アルミリム(車輪)ですから、歪んできます。そして、へたすると、スポーク(車輪の中央から放射線状にある細い棒)も折れます。そうなってから、スポーク交換修理となると、とんでもなく厄介なことになるんですよ。フレームにも負担は来るでしょうね。

先日、点検したパンクしないタイヤ装着自転車、ここまで傷むか~!というほど悲惨な自転車でした。1年前に買ったそうです。で、結局は普通のタイヤに交換とリムの修理をすることになったんですが、これがブリヂストンやパナソニックの自転車を買っていたら、1年で無駄にお金を使うこともなかっただろうにと気の毒になりました。チラシを見たら、30000円以上する自転車なんですよね~。この品質で?と善良な自転車店はひっくり返りそうな驚愕のロークォリティ。タイヤにどんだけお金がかかってるんだ?

画像の通りタイヤは磨耗していて、溝がありません。このまま走り続けるとどんどん磨り減って、タイヤの丸みははなくなり、道路との接地面は平らになり、角張るんではないかと思いました。四角いタイヤなんて見たことない(笑)

これ、たとえば、またパンクしないタイヤを嵌めたい場合は、スーパー量販店でそういう修理は可能なんでしょうかね?誰かご存知の方はコメント欄にお願いします。売って、はい、それまで~よ~。なんでしょうかね?交換ができるとなると、価格はいくらぐらいになるか?それも確認した方がいいですね。




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